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痛みのお話

帯状疱疹

先のブログにある急性痛で直ぐに対応しなくてはならない痛みの一つが帯状疱疹による痛みです。

帯状疱疹とは

帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)と同じウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)で起こる皮膚の病気です。幼少期に罹った水ぼうそうウイルスが神経節(知覚神経に関する部位)と言われる場所に潜伏し、体の免疫力多低下、ストレスや過労により、もう一度現れます。現れる場所は、体の左右どちらかの神経に沿って出現(帯状)し、出現する場所は頭の先からつま先のどこかです。

また、帯状疱疹が現れる部位によって、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴などの合併症を引き起こすことがあります。時に知覚神経だけではなく運動神経が侵されると痛みだけでなく運動麻痺も出現します。

帯状疱疹を発症しやすい年代は??季節は??

帯状疱疹は50歳代から発症率が高くなり80歳までに約3人に1人が発症すると言われています。これは、加齢などによる免疫力の低下が発症の原因となることがあります。特に夏・冬の終わりに差し掛かった時期に多くなる傾向にあり、これは酷暑・厳冬により体力が奪われた結果、発症することが考えられます。

50歳以下の年代でも発症することがあります。これらの年代では、新社会人生活の開始や仕事の部署異動などによるストレス・過労が原因になっていること多く、高齢患者さんとは違い春先に多くなる傾向にあります。その他に、年代に関係なく、糖尿病やがんなどの免疫力が低下する病気が原因になることもあります。

帯状疱疹ってどんな症状??

通常、痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に生じ、ピリピリと刺すような痛みとなり、夜も眠れないほど激しい場合があります。多くの場合、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によってその後も痛みが続くことがあり、これは「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれ、最も頻度の高い後遺症です。

帯状疱疹がやっかいな理由

帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹後神経痛の症状は「痛み」です。患者さんが表現する言葉をお借りすると、「焼けるような」「締め付けるような」「剣山で刺されるような」「火鉢を当てられているような」「突然稲妻が走る」といった言葉です。帯状疱疹後神経痛になりやすい原因として、年齢(高齢者に多い)、水疱が広範囲・高密度に出現するなどです。50歳以上で帯状疱疹を発症した患者さんのうち、約2割が帯状疱疹後神経痛になると言われています。

帯状疱疹がやっかいな理由は、発症から数カ月経過して帯状疱疹後神経痛に移行すると、痛み治療に反応しにくくなることです。このようなことから、「いつか治まる」と思いながら経過を見ていると、「治まらず継続する」といった事態に陥る可能性があります。

ペインクリニックでの治療

抗ウイルス薬の投与により、ウイルスの活動は抑えられますが、ウイルスが活動していた際に引き起こされた神経の炎症や損傷を食い止めることが目的となります。

通常の痛み止め(ロキソニンやカロナールなど)の効果がなければ、鎮痛薬の強化や神経ブロック(硬膜外ブロックや神経根ブロックなど)を施行する必要があります。先にも書きましたが、帯状疱疹後神経痛に移行した場合はこれらの治療が効きにくくなりますので、送気からの痛み治療が重要となります。

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